ペクチンの特性と用途
概要
ペクチンは主に熟した柑橘類やリンゴに含まれる複合炭水化物で、ジャムやゼリー、ベーカリーのフィリング、飲料などの増粘剤・安定剤として広く利用されています。水に溶けやすく食物繊維の供給源でもあり、米国食品医薬品局(FDA)では一般に安全と認められる(GRAS)添加物に分類されています。
基本情報
Encyclopedia Britannicaはペクチンを、特定の植物の細胞壁や細胞間組織に存在する水溶性炭水化物のグループと定義しています。果実が熟しすぎると、ペクチンは分解されて水溶性の単糖に変わります。ペクチンは淡い色の粉末で、白色や黄色、灰色、茶色などがあります。
化学構造
ペクチンは約300〜1,000個の単糖ユニットからなる線状多糖で、主成分はD-ガラクトゥロン酸です。この酸の残基はα‑1,4‑グリコシド結合で連結されています。分子量は5万〜15万ダルトンです。メトキシル化度が50%以上のものは「高メトキシル(HM)ペクチン」、50%未満は「低メトキシル(LM)ペクチン」と呼ばれます。
製造工程
国際ペクチン製造者協会によると、工場はジュースメーカーからのリンゴ残渣や柑橘類の皮を受け取り、これをミネラル酸を含む熱湯に浸漬します。ペクチンを抽出し、固形分を除去して溶液を澄ませます。濃縮した液体にアルコールを加えて不純物を沈殿させ、必要に応じてアンモニア処理を行います。乾燥後は粉末に粉砕し、品質検査を経て砂糖やブドウ糖とブレンドされます。
医薬的特性
メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの予備的臨床データでは、ペクチンは下痢やコレステロール上昇の改善に寄与する可能性が示唆されています。大腸がんリスク低減や放射線障害の予防効果が期待されていますが、現時点では十分に証明されていません。
