甲状腺機能低下症の栄養管理
甲状腺機能低下症(甲状腺が十分なホルモンを産生できない状態)は、放置すると肥満、関節痛、不妊、心疾患などのリスクが高まります。栄養面でどのように対処できるかを解説します。
識別
症状は徐々に現れ、以下のような兆候が見られます。
- 倦怠感や代謝の低下
- 原因不明の体重増加
- 血中コレステロールの上昇
- 皮膚の乾燥・蒼白
- 筋力低下や痛み、関節のこわばりや腫れ
機能
甲状腺は首の前部に位置し、代謝を調整する甲状腺ホルモンを生成します。全身の細胞はこのホルモンに依存しており、甲状腺が十分なホルモンを作れないと代謝が低下します。
正常な甲状腺はヨウ素を取り込み、ホルモンへと変換します。ヨウ素供給が不足したり、ホルモン生成が障害されると甲状腺機能低下症が起こります。
食事の考慮点
かつてはヨウ素欠乏が主な原因でしたが、現在は食塩にヨウ素が添加されているため、欠乏は稀です。そのため、特別な食事療法は必ずしも必要ありません。
予防・対策
海産物やヨウ素添加食塩を十分に摂取できない場合は、ヨウ素を含むマルチビタミンの摂取を検討してください。一般的な成人の必要量は1日150µgで、以下の食品でも補えます。
- 昆布やわかめなどの海藻
- 卵
- 全粒粉パン
- モッツァレラチーズ
- 牛乳・ヨーグルト
- いちご
専門家の見解
メイヨークリニックの内分泌学者トッド・B・ニポルト医師によれば、特定の食品を摂取したり避けたりすることで甲状腺機能が改善する根拠はありません。米国の食事摂取基準によると、成人男性のヨウ素摂取中央値は240〜300µg/日、女性は190〜210µg/日で、推奨量を十分に上回っています。
