人間の身体機能はすべて、適切な栄養素があってこそ維持されます。看護師は患者が必要な栄養を確保できているかを評価・モニタリングし、問題があれば適切に介入する役割があります。ここでは、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの5つの主要栄養素について、看護現場で役立つポイントをまとめました。

炭水化物

炭水化物はブドウ糖、果糖、ガラクトースなどの糖分子から構成され、エネルギー源として不可欠です。筋肉は糖とタンパク質を利用しますが、脳はほぼ全てをブドウ糖で賄います。過剰な糖分摂取は肥満や糖尿病、子どもの行動問題を招く恐れがあります。また、炭水化物に含まれる食物繊維は便秘予防や心血管疾患、腸疾患のリスク低減に寄与します。

タンパク質

体内のすべての組織・体液(尿・胆汁を除く)はタンパク質で構成され、数十種類から数百種類のアミノ酸が組み合わさってできています。必須アミノ酸は20種類のうち9種類で、体内で合成できないため食事から摂取する必要があります。タンパク質は酵素やホルモンの材料となり、消化や代謝に重要です。過剰なタンパク質は脂肪に変換され蓄積されます。

脂質

脂質はトリグリセリド、リン脂質、ステロイドなどを含む脂肪類です。脂質は皮膚の保護や子どもの正常な成長に不可欠な脂肪酸の材料となります。常温で液体の不飽和脂肪は、固体の飽和脂肪より健康的です。飽和脂肪の過剰摂取はコレステロール上昇や心疾患リスクを高めます。部分的に水素添加されたトランス脂肪も同様に有害です。

ビタミン

ビタミンは細胞内の化学反応を助ける必須栄養素で、ほとんどは体内で合成できないため食事から補給が必要です。脂溶性ビタミン(A、D、E、K)は肝臓や脂肪組織に蓄えられ、毎日摂取しなくても大丈夫です。一方、水溶性ビタミン(CやB群)は体内に限られた量しか貯蔵できず、定期的に補給が必要です。欠乏すると、歯茎出血や心不全など多様な症状が現れます。

ミネラル

ミネラルは全組織・体液に存在し、組織構造の維持や神経伝達、筋収縮、ホルモン調節などに関与します。カリウム・ナトリウム・塩素などの電解質は体液バランスと血液の酸塩基平衡を保ちます。カルシウムとリンは骨の健康に必須です。ただし、過剰摂取は腎結石や高血圧などのリスクを増大させます。