動物性脂肪の基礎知識と健康への影響

食事に含まれる脂肪は大きく分けて飽和脂肪と不飽和脂肪の二種類です。動物性脂肪はすべて飽和脂肪に分類されます。米国農務省(USDA)や米国栄養士会などの公的機関は、飽和脂肪の過剰摂取を控えるよう勧めており、多くの研究で動物性脂肪と心疾患の関連が指摘されています。一方で、適量の動物性脂肪は必須栄養素としての役割も持ち、バランスの取れた食事の一部として取り入れることが重要です。

種類

  • 動物性脂肪は常温で固体になることが多く、バター、ラード、牛脂(タロウ)や牛すじ脂(スエット)などが代表例です。
  • その他の動物性脂肪の供給源としては、チーズ、全乳・低脂肪乳、クリーム、卵黄、肉類全般が挙げられます。

健康への意義

  • 血中コレステロールは体内に自然に存在し、水に溶けにくいため「善玉」高密度リポタンパク(HDL)が余剰分を運搬します。
  • チーズやバター、クリーム、卵黄、レバーなどに含まれる動物性脂肪は食事性コレステロールの供給源です。過剰に摂取すると「悪玉」低密度リポタンパク(LDL)が増加し、動脈壁に沈着して心臓病のリスクが高まります。

誤解と事実

  • 飽和脂肪は細胞膜やホルモン合成に不可欠で、食事の満腹感を延長し、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収を助けます。母乳にも含まれ、乳幼児の脳・神経系発達に重要です。
  • 動物性脂肪と冠動脈性心疾患を結びつける研究は多数ありますが、20世紀初頭以降、動物性脂肪の摂取は減少した一方で心疾患の罹患率は上昇しています。また、動物性脂肪を多く摂取する非西洋文化圏では心疾患がまれです。

食事の指針

  • USDAは、成人の総エネルギー摂取量の10%未満(例:1日2,000kcalの場合、飽和脂肪は20g以下)に飽和脂肪を抑えることを推奨しています。総脂質はエネルギーの20〜35%が目安です。
  • 子どもは年齢に応じて脂質比率が高く、2〜3歳は30〜35%、4〜18歳は25〜35%が推奨されます。
  • 動物性脂肪の代わりにナッツや植物油を選び、週に約8オンス(約230g)の魚を摂取すると心臓病死亡リスクの低減が期待できます。

留意点

  • 動物性脂肪の適正摂取量については見解が分かれるものの、トランス脂肪は完全に避けるべきです。液体の植物油を水素添加して固体化したものがトランス脂肪で、加工食品に多く含まれます。

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