記憶力向上のためのサプリメント活用法
市場には記憶力や脳機能を高めると謳うサプリメントが多数出回っていますが、科学的エビデンスはまちまちです。血流を良好に保ち、動脈の詰まりを防ぐことが健康な脳を維持する最善策とされています。そのため、栄養素・抗酸化物質・健康的な脂肪を豊富に含むバランスの取れた食事に、必要に応じてビタミン類のサプリメントを加えることが、最適な脳機能を促進し、加齢による認知低下から身を守る最も効果的な方法と言えるでしょう。
鉄(Iron)
鉄は脳の正常な機能に不可欠です。酸素を全身に運ぶヘモグロビンの生成に関与し、記憶に関わる神経伝達物質の働きにも必要です。貧血でなくても鉄欠乏は記憶力や認知機能に悪影響を与えることが報告されています。ジョンズ・ホプキンス大学の研究では、鉄が十分な女性は記憶テストで低鉄群の約2倍の正答数を示し、4か月間の鉄サプリ摂取で低鉄群の成績が改善されたとされています。
抗酸化物質(Antioxidants)
抗酸化物質は血流を改善し、脳への酸素・栄養供給を円滑にすることで脳機能をサポートします。また、フリーラジカルによるダメージから脳を保護し、加齢に伴う記憶喪失を軽減する効果も期待されています。代表的なものはビタミンA・C・Eで、ベリー類、ビーツ、ほうれん草など色の濃い果物・野菜に多く含まれます。サプリメントでの補給も有効です。
葉酸(Folate)
葉酸の摂取はアルツハイマー病のリスク低減に寄与する可能性があります。コロンビア大学の研究では、葉酸サプリと葉酸豊富な食事を併用した高齢者は、対照群に比べてアルツハイマー発症率が有意に低かったと報告されています。ただし、結論を出すにはさらなる検証が必要です。
DHA(ドコサヘキサエン酸)
DHAはオメガ3系脂肪酸の一種で、脳細胞の膜は脂質で構成されています。DHAが不足すると、体は飽和脂肪酸や単不飽和脂肪酸で代用しますが、これらは神経伝達に適さないとされています。2001年の研究では、DHAを多く含むサーディンオイルを5%配合した餌を与えたマウスは、パームオイル餌のマウスに比べて迷路走行が大幅に速く、脳内のDHA濃度も高いことが確認されました。
その他のポイント
サプリメントに加えて、雑誌『Prevention』は有酸素運動を推奨しています。加齢に伴い血管の弾力性が低下し、血流が悪くなると脳への酸素・栄養供給が減少します。有酸素運動は心臓・筋肉・循環系を強化し、血流改善に効果的です。また、飽和脂肪酸の摂取を控えることで動脈の詰まりを防ぎ、脳の健康を保つことができます。
