鉄の毒性とは何か?

体内の鉄バランスは健康維持に不可欠です。過剰でも不足でも深刻な影響を及ぼすため、鉄中毒のスクリーニングとモニタリングが重要です。本稿では、鉄中毒の原因と症状、診断指標、そして主な合併症について解説します。

血液輸血

  • 頻繁に輸血を受ける患者は、体内に過剰な鉄が蓄積しやすく、ヘモクロマトーシス(鉄過剰症)を引き起こすリスクがあります。20単位以上の輸血、または10回以上の輸血歴がある人は特に注意が必要です。
  • 輸血により血中鉄は4か月で35%から95%に上昇することがあります。
  • 一部の遺伝子変異により、食事からの鉄吸収が増加し、輸血がなくても鉄過剰になるケースがあります。

鉄の化学的特性

  • 体内の鉄は酸化状態により「二価鉄(Fe²⁺、フェロス)」と「三価鉄(Fe³⁺、フェリック)」に変換され、酵素反応やエネルギー産生に関与します。
  • しかし、過剰な鉄が細胞内に蓄積すると、酸化ストレスを増大させ、さまざまな疾患の発症に関与します。
  • 鉄欠乏も健康に悪影響を及ぼすため、適切なバランスが求められます。

血清フェリチン

  • 血清フェリチンは体内鉄貯蔵量の指標です。フェリチン濃度が1,000 µg/L以上の場合、鉄中毒が疑われます。
  • 正常範囲は男性で300 µg/L以下、女性で150 µg/L以下とされています(月経の有無により差があります)。
  • 鉄過剰による臓器不全で死亡した例では、血清フェリチンが97 %に達することがあります。

主な影響と症状

  • 初期症状は倦怠感や腹痛で見過ごされがちです。放置すると下記の重篤な合併症が現れます。
  • 下垂体機能不全、甲状腺機能低下、心筋障害、肝機能障害、膵臓障害、男性の生殖機能障害など。
  • その他、肝腫大、皮膚色素沈着、関節炎、脱毛、月経停止(女性)、勃起不全(男性)なども報告されています。

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