ロイコトリエンとは何か?

ロイコトリエンは、体の免疫応答に重要な役割を果たす生理活性化合物の一群です。好塩基球や肥満細胞といった白血球で生成され、炎症、アレルギー、喘息などさまざまなプロセスに関与します。また、血流・血圧・気道収縮の調節にも関わります。

ロイコトリエンの主な種類

ロイコトリエンB4(LTB4)

強力な炎症メディエーターで、好中球、好酸球、その他の免疫細胞を炎症部位へ誘導します。単球、マクロファージ、樹状細胞に対する走化性も持ちます。

ロイコトリエンC4(LTC4)

気道を収縮させる作用があり、喘息やアレルギー性鼻炎などの発症に関与します。炎症促進作用も強いです。

ロイコトリエンD4(LTD4)

LTC4と同様に気道収縮を引き起こし、喘息やアレルギー性疾患の病態に関与します。好酸球などの免疫細胞を炎症部位へ呼び寄せる働きがあります。

ロイコトリエンE4(LTE4)

比較的弱い気道収縮作用ですが、喘息やアレルギー性鼻炎の発症に関わります。好酸球のリクルートにも関与します。

ロイコトリエンの産生と刺激因子

アレルゲン、サイトカイン、細菌・ウイルス感染など様々な刺激に応答して産生されます。内皮細胞や上皮細胞といった非免疫細胞でも生成されます。

受容体と作用機序

ロイコトリエンは主にシステインイルロイコトリエン受容体(CysLT1、CysLT2)とリポキシンA4受容体(ALX)を介して作用します。

CysLT1・CysLT2受容体

好酸球、好塩基球、肥満細胞、樹状細胞など多くの免疫細胞に発現しています。これら受容体が活性化されると、以下のような細胞応答が起こります。

  • 気道収縮
  • 血管透過性の増大
  • 好酸球・好中球のリクルート
  • 炎症性メディエーターの放出
  • 肥満細胞・好塩基球の活性化

ALX受容体

単球、マクロファージ、内皮細胞に発現しています。ロイコトリエンがこの受容体を介して作用すると、炎症抑制に関与する以下の反応が促進されます。

  • 炎症の抑制
  • 血管透過性の低下
  • 好酸球・好中球のアポトーシス
  • 抗炎症性メディエーターの放出

臨床的意義と治療薬

ロイコトリエンは免疫応答に必須ですが、過剰産生は喘息、アレルギー性鼻炎、その他のアレルギー疾患を引き起こします。ロイコトリエン受容体拮抗薬(ロイコトリエン阻害薬)は、これらの疾患の治療に用いられます。

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