胃バイパス手術に伴う合併症

胃バイパス手術は、体重が100ポンド(約45kg)以上過剰な人、または高血圧や糖尿病などの重大な合併症を抱えるが体重が100ポンドに近い人を対象とした減量法です。手術自体にリスクはありますが、十分な情報を得て意欲的に取り組む患者は、リスクを軽視した患者に比べて成功率が高くなります。

安全性

  • 米国国立衛生研究所(NIH)の大規模調査(2005〜2007年、10施設で4,776例)によると、バリアトリック手術のリスクは大幅に低下し、胆嚢摘出術や股関節置換術と同等の安全性となっています。ロウ・エン・ヤー胃バイパスまたは腹腔鏡下調整可能胃バンド手術の30日死亡率はわずか0.3%でした。

外科的合併症

  • 麻酔への反応、呼吸困難、出血、血栓、手術中の心筋梗塞や脳卒中、周囲臓器への損傷、最悪の場合は死亡があります。特に頻度が高いのは下肢にできた血栓が肺・脳・心臓へ移行する肺血栓症です。間欠的気圧圧迫装置(足に装着するソフトブーツ)を使用することで、致死的血栓の発生率は大幅に低減されています。

短期的合併症

  • 手術後数週間は創部感染や、胃と小腸を再構成するルーイー・エン・ヤー胃バイパスで起こり得る縫合・ステープラインからの漏れが主な問題です。漏れが起これば緊急手術が必要となります。腹腔鏡手術は大きな切開が必要な手術に比べ創部感染のリスクが低くなります。また、過食により嘔吐が起こりやすく、これは小さくなった胃に慣れるまでの一時的な現象です。

栄養面の合併症

  • 吸収障害手術(ルーイー・エン・ヤー胃バイパスなど)では、ビタミンB1(チアミン)・B12、葉酸、鉄、カルシウムの吸収が低下します。そのため、毎日のマルチビタミンと鉄剤の摂取、嚙んで摂取できるカルシウムサプリが推奨されます。骨粗鬆症の予防・遅延のためにカルシウムは必須です。ビタミンB12は注射または鼻スプレーで補充します。
  • 全ての胃バイパス手術に共通して、食事はバランスよく多様な食品群から摂ることが重要です。1日3食ではなく、数回に分けた小さな食事にすることで、栄養吸収の効率が向上します。

その他の合併症

  • 心理的・感情的な問題も見過ごされがちですが、身体的合併症と同等に重要です。少量の食事しか取れない中で、周囲がビュッフェを楽しむ姿を見ると精神的にストレスを感じやすく、特に術後初期は顕著です。また、家族や友人の体重減少に対する反応がポジティブでもネガティブでも、患者の精神状態に大きく影響します。サポートグループへの参加や、必要に応じて専門家(心理カウンセラー)に相談することが推奨されます。

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