脊髄刺激装置(SCS)のリスクと考慮点
医療技術は驚異的なスピードで進化しています。その中でも、慢性疼痛の緩和を目的とした脊髄刺激装置(SCS)は、40年以上の実績があり、薬物使用の削減や痛みのコントロールに貢献しています。本稿では、SCSの歴史、仕組み、リスク、導入時の留意点を解説します。
歴史
米国の医療機器メーカー、メドトロニックは1949年に創業され、以降30年以上にわたり医師や患者と協働しながら神経刺激技術を発展させてきました。同社はこれまでに25万人以上の患者にニューロ刺激装置を埋め込み、業界をリードしています。
ニューロ刺激装置の用途
ニューロ刺激装置は、従来の手術や薬物療法が効果を示さない慢性疼痛に対して有効です。患者はまず一時的な試験装置(トライアル)を装着し、痛みの軽減が確認できれば永久埋込へと進みます。適応例としては、腰部・頚部の神経障害性疼痛や複合性局所疼痛症候群(CRPS)などが挙げられます。
部品と埋め込み方法
SCSは主に3つの要素から構成されます。
- リード:脊髄の痛みが生じている部位近くに外科的に配置される電極。
- ジェネレーター:皮下に埋め込まれ、リードへ電気パルスを送出する装置。
- 患者コントローラー:携帯型リモコンで刺激の強さやパターンを調整できる。
リードは上部から下部まで、患者の疼痛部位に合わせて配置され、ジェネレーターは腹部や臀部など皮下に設置されます。
刺激装置のリスク
装置は複数の部品から成るため、機械的な故障やリードの破損・移位のリスクがあります。また、手術自体が侵襲的であるため、以下の合併症が報告されています。
- 感染症、出血、頭痛
- 麻酔に対する反応、血栓形成、稀に死亡
さらに、長期使用による皮膚刺激や電池切れも考慮が必要です。
考慮すべき点
脊髄刺激装置は疼痛緩和に大きな可能性を持ちますが、侵襲手術であること、装置のメンテナンス費用、将来的な交換手術の必要性などを総合的に評価する必要があります。導入を検討する際は、信頼できる医師と十分なカウンセリングを行い、トライアル期間で効果を確認した上で最終判断を下すことが重要です。
