慢性うつ病と臨床的うつ病における自殺の頻度
症状
臨床的うつ病(大うつ病性障害)は、日常生活に深刻な支障をきたす最も重いうつ状態です。症状が重く、障害年金の対象になることもあります。慢性うつ病(ジストミア)は比較的軽度で、思春期や若年成人期に発症し、2年以上続くことが多く、場合によっては20〜30年続くこともあります。両者に共通する主な症状は、自己評価の低下、日常への興味喪失、エネルギー不足、そして自殺念慮のリスク増大です。臨床的うつ病と慢性うつ病が同時に存在する「二重うつ」もあり、死亡率が高まります。実際、慢性うつ病患者の約40%が臨床的うつ病の診断基準も満たします。
自殺の頻度
臨床的うつ病や慢性うつ病と診断された人は、自殺リスクが顕著に高まります。1999年の外科医総長報告によれば、臨床的うつ病は自殺関連死亡の約20〜30%を占めていますが、実際の割合は30%を超える可能性があります。さらに、慢性うつ病患者も自殺件数が多いことが報告されています。うつ病患者は家族歴に自殺があるケースが多く、リスクが高い年齢層は15〜40歳と65歳以上です。二重うつの患者は特に自殺リスクが高いとされています。
予防
自殺は適切なサインに気付くことで防げます。主なリスク要因は以下の通りです。
- 家族に自殺や精神疾患の既往がある
- 過去の性的虐待や物質乱用、既往の自殺未遂
- 診断されていない精神疾患を抱える気分障害患者
警戒すべきサインは、死について語る・考える、死への欲求、深い悲しみや無関心、睡眠・食欲の変化、学習性無力感、そして「嵐の前の静けさ」(急に落ち着きを見せる)です。特に後者は、死を決意した上で一時的に安堵感を示す危険なサインです。
治療
臨床的うつ病・慢性うつ病の治療は、心理療法と抗うつ薬の併用が基本です。主に使用される抗うつ薬は以下の通りです。
- SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)例:ゾロフト、パキシル、セレクサ
- SNRIs(セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬)例:エフェクサー、サインバルタ、エフェクサーXR
これらは脳内のセロトニンやノルエピネフリンの再取り込みを阻害し、気分を改善します。
留意点
うつ病は長期的な管理が必要であり、特に若年者に対する抗うつ薬は自殺念慮を増加させる副作用が報告されています。米食品医薬品局(FDA)は25歳未満の使用者に対し警告ラベルを義務付けましたが、25歳以上ではリスクは大幅に低下します。
