蒸留水の飲用がもたらす危険と健康リスク
蒸留水は水中のすべてのミネラルを除去した純水です。医薬品や自動車用バッテリーの製造には適していますが、飲料水としては推奨されません。世界保健機関(WHO)は、飲料水にカルシウムやマグネシウムといった必須ミネラルが一定量含まれるべきだと定めています。蒸留水を飲むと、以下のような健康被害が起こる可能性があります。
ミネラル欠乏症
体内の水は常にカリウムやナトリウムなどの電解質と共存しています。これらの電解質は腸での水分吸収を助けますが、蒸留水を飲むと腸は体内の電解質ストックを使い切って水を吸収しようとします。その結果、以下のような欠乏症状が現れます。
- 倦怠感・疲労感、頭痛
- 筋肉のけいれんやこむら返り
- 心拍リズムの乱れ
- 骨や歯が脆くなる
低ナトリウムショック(ウォータートキシシティ)
動物実験では、蒸留水の過剰摂取により体内のナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムが急激に失われ、赤血球量が減少することが確認されています。これが続くと「低ナトリウムショック」すなわち水中毒を引き起こし、激しい運動後や大量に水を飲んだ際に起こりやすくなります。主な症状は以下の通りです。
- 眠気・イライラ感
- けいれん、痙攣
- 脳浮腫(脳内に水がたまる)
- カリウム吸収不足による低カリウム血症(低カリウム症)
重金属中毒リスクの増大
蒸留水は保存容器やタンクから金属イオンを吸着しやすく、結果として体内に取り込む金属量が増える可能性があります。さらに、カルシウムやマグネシウムが不足すると、これらのミネラルが持つ解毒作用が低下し、鉛やカドミウムといった重金属の腸管から血液への吸収が抑えられなくなります。したがって、蒸留水を常用すると重金属中毒のリスクが高まります。
以上の理由から、蒸留水は飲料として使用せず、ミネラルが含まれた安全な飲料水を選ぶことが重要です。
