黒スグリ(ブラックカラント)の健康効果
黒スグリはヨーロッパを中心に自生する低木の実で、甘酸っぱい小さなベリーです。中世の医師が軽い疾患や腎結石の治療に利用した記録が残っており、近年はその栄養価の高さが注目されています。苗は比較的安価で育てやすく、豊富な実を収穫できるため、冷凍・缶詰・ジャムなど様々な保存方法で活用できます。
栄養価
重量あたりのビタミンC含有量はオレンジを上回り、サプリメント不要になるほどです。第二次世界大戦中はビタミンCが不足し、黒スグリの栽培と消費が急増しました。さらに、γ-リノレン酸(GLA)という価値の高いオメガ6脂肪酸や、うつや不安症状の緩和に有用とされるモノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI)も含まれています。
認知症予防
Journal of Science Food and Agriculture に掲載された研究では、黒スグリに豊富な抗酸化物質が認知症の予防に寄与する可能性が示されています。現在、アルツハイマー病や他の認知症に対する黒スグリ抽出物の治療効果を検証する研究が進行中です。
尿路感染症の予防
黒スグリの抗酸化作用により、尿路感染症のリスク低減が期待されています。具体的な効果を確認するための臨床試験はまだ進行中です。
軽度の症状への効果
自然療法の専門家は、下痢、扁桃炎、百日咳、喉の痛み、歯肉炎などの軽い症状に対して黒スグリの使用を推奨しています。
喘息への影響
2010年3月に Molecular Nutrition and Food Research に掲載された研究(ニュージーランド Plant and Foods Research Institute の Suzanne Hurst 博士)では、黒スグリに含まれるポリフェノールがヒト肺細胞培養においてアレルギー性喘息発作の頻度を低減させることが示されました。
今後の研究課題
2009年に Journal of Horticultural Science and Biotechnology に発表された ISAFRUIT プロジェクトは、黒スグリの抗酸化特性が心血管疾患やがん細胞の予防に有望であると結論付けました。ただし、実用化にはさらなる大規模研究が必要です。
