オーガニック農業と従来農業の比較

オーガニック農業の定義

米国農務省(USDA)の国家有機基準委員会(NOSB)によると、オーガニック農業は「生物多様性、生命循環、土壌の生物活動を促進・向上させる生態的生産管理システム」と定義されます。主な目的は合成化学物質を一切使用せずに健康な作物を育てることです。1980年代に小規模なニッチ市場として始まり、30年で数十億ドル規模の世界的産業へと成長しました。

有機認証制度

有機農業は従来農業に比べてはるかに厳しい規制が適用されます。米国内で年間5,000ドル以上の有機作物を販売するには、USDAの認証を受ける必要があります。認証取得には、禁止された化学物質の使用を3年間停止するなどの条件を満たすことが求められ、認証後も継続的に監視されます。

農薬の使用

「有機=農薬不使用」ではありません。合成農薬は使用禁止ですが、自然由来の非合成農薬は使用可能です。代表例として銅系農薬が挙げられます。非合成農薬の選択肢が限られるため、有機農家は罠や天敵の利用、耐性品種の選定といった文化的防除を多用します。

従来農業では合成農薬が広く用いられ、ラベルに記載された使用方法を守ることが法的義務となります。各州の農業部門は散布日時と量の記録を義務付けており、世界的に合成農薬が主流です。

肥料の違い

肥料は大きく「有機肥料」と「無機肥料」に分かれます。有機肥料は植物や動物由来の有機物から作られ、無機肥料は合成化学物質や鉱物から製造されます。無機肥料はハーバー・ボッシュ法で作られるアンモニアを原料に窒素肥料を生産します。有機農家は合成肥料の使用が禁止されており、主に堆肥や家畜糞尿を利用します。

論争点

有機農業が環境や人の健康に優れるかどうかは議論が続きます。エネルギー効率が高いという研究結果もあれば、必ずしも全てのケースで優れているわけではありません。従来農業側は有機作物が栄養価で優れているという決定的な証拠はないと主張します。一方、有機農業は化学肥料や農薬の製造に伴う化石燃料使用を減らし、土壌や地下水への有害化学物質流出を防ぐ点で環境負荷が低いと評価されています。

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