食事におけるパーム油の健康影響
パーム油はヤシの実の果肉から抽出される植物油です。近年、トランス脂肪の代替として健康に良いかどうか議論が続いています。2009年の研究では、パーム油を主成分とした食事と部分水素添加大豆油を主成分とした食事のどちらも、LDLコレステロールが同程度に上昇することが示されました。
心臓疾患リスク
パーム油はマーガリン、ショートニング、焼き菓子、キャンディなどに使用され、脂肪の45〜50%が飽和脂肪です。米国心臓協会は飽和脂肪が心臓病リスクを高めると指摘しています。オランダの研究者が2003年に実施した34件のメタ解析では、パーム油はオリーブ油や大豆油、キャノーラ油よりも心臓病リスクを増大させることが示され、世界保健機関も「説得力のある証拠」があるとしています。
コレステロールへの影響
米国公衆衛生科学センターの報告によると、1997年に英国の研究者が実施した134件のヒト実験のメタ解析で、パーム油は血中LDLコレステロール(いわゆる「悪玉」コレステロール)を上昇させることが明らかになりました。NIH(米国国立衛生研究所)も「飽和脂肪はコレステロール上昇に最も大きく寄与する」と警告しています。
体重増加の可能性
飽和脂肪が多いパーム油は、過剰な脂肪摂取につながりやすく、体重増加のリスクを高めます。米国農務省は1日の総エネルギーのうち飽和脂肪は7%以下に抑えることを推奨していますが、パーム油は45〜50%が飽和脂肪のため、簡単に上限を超えてしまいます。
論争と代替説
一部の団体はパーム油をトランス脂肪の代替として推奨しています。マレーシア・パーム油研究所が1991年に発表した研究では、パーム油はコレステロール上昇のリスクが低く、主要な飽和脂肪酸であるパルミチン酸は中性のコレステロール効果を持ち、極少量の高コレステロール性飽和脂肪酸しか含まれていないとされています。また、オレイン酸やリノール酸といった健康的な一価不飽和脂肪酸が豊富で、ビタミンEも含まれ、抗酸化作用でコレステロール合成を抑制すると述べられています。マレーシアは世界のパーム油輸出の80%以上を占めており、産業的背景も議論に影響しています。
