胎児は食事がなくてもどれくらい生き延びられるか
考慮すべき点
水分さえ摂取できれば、成人は平均で4〜5週間の絶食に耐えられますが、個人差があります。健康状態、体格(筋肉量や体脂肪)、精神的な意志、活動量、環境温度などが影響します。
胎児の飢餓
胎児が飢餓状態になる主な原因は2つあります。1つは母体の臓器に問題が生じ、胎盤が正常に機能しなくなる子癇前症などの重篤な疾患です。もう1つは、母親が食事を摂らなくなることです。食糧不足、病気(うつや摂食障害)、意図的なダイエット、または胎児に危害を加える目的で食事を止めるケースがあります。
死亡率
1979年にD.L.ハード博士とL.L.アンダーソン博士が行った実験では、妊娠中の豚(第2・第3期)に40日間水だけを与えました。その結果、74%が正常に出産し、胎児は1か月半の完全絶食でも死亡しませんでした。豚は人間と生物学的に近いことから、胎児は成人と同程度の期間飢餓に耐えられると考えられます。したがって、母親が食事をやめても胎児がすぐに死ぬわけではありません。
発達への影響
死亡は稀で、むしろ胎児の飢餓は出生後の障害を引き起こす可能性が高いです。代表的な例として、第二次世界大戦中のオランダ「飢餓の冬」(1944〜1945年)があり、1日約1,000kcalしか摂取できなかった妊婦の子どもたちは、低体重、頭蓋小型、脳発達不全、後年の精神障害などが報告されています。1984年の研究では、飢餓状態に置かれた羊の胎児に脳・腎・肝・肺・筋肉の先天性奇形が見られました。
妊娠中の食事
妊娠中に体重を減らす目的でダイエットを始めるべきではありません。むしろ体重増加が期待される時期です。メイヨークリニックは、バランスの取れた食事に加えて葉酸やカルシウムを豊富に含む食品、そして産前ビタミンの摂取を推奨しています。妊婦は胎児にとって唯一の外部とのつながりであり、最善の栄養を提供する責任があります。
