血液中のカリウム濃度が高いときの兆候と対策
カリウムは細胞内に存在する重要な電解質で、心臓・筋肉・神経系の正常な働きを支えます。血中カリウム濃度が3.5〜5.0 mEq/L を超えると「高カリウム血症(ハイパーカリミア)」となり、様々な症状が現れます。以下では主な症状、慢性期の影響、原因、治療法、注意点をまとめました。
主な症状
- 初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、血中カリウムが上昇すると以下のような症状が出ることがあります。
- 吐き気、倦怠感、筋力低下、しびれ(手足や舌)
- 心拍が遅くなる、または不整脈になる
- 重症例では心停止に至る可能性
- 意識混濁、呼吸が浅くなる、けいれん、四肢の重だるさ、失神感
慢性症状
- 診断が遅れると心臓、腎臓、神経、筋肉に長期的な障害が残ります。
- 動脈硬化や高血圧のリスク増大
- 持続的な不整脈や心機能低下
- 消化器系や腎臓の機能悪化(カリウム排泄が困難になる)
原因
- 腎機能障害が最も一般的です。腎臓はカリウムの排泄を担うため、機能低下で血中濃度が上がります。
- その他の原因としては、全身性エリテマトーデス(ループス)腎炎、糖尿病、アジソン病、外傷や組織破壊があります。
- 以下の薬剤もカリウム濃度上昇を招くことがあります。
- ACE阻害薬、NSAIDs、カリウム保持性利尿薬、カリウムサプリメント
治療法
- 急性期には血中カリウムを細胞内へ移動させる薬剤が用いられます。
- インスリン+ブドウ糖、β刺激薬、炭酸ナトリウム
- 腎臓からの排泄を促すために利尿剤が投与されます。
- 腸管でカリウムとナトリウムの交換を促す樹脂(カリウム結合樹脂)も有効です。
- 長期管理では食事制限が重要です。カリウムが多く含まれるバナナ、アボカド、トマト、ナッツ類の摂取を控えます。
留意点
- 血中カリウムが7.0 mEq/L を超えると重篤な高カリウム血症とみなされ、死亡率は約67%に達します。
- 症状が軽微でも、心停止の危険があるため、疑わしい場合は速やかに医療機関を受診してください。
- 定期的な血液検査でカリウム値をモニタリングし、腎機能や服用中の薬剤をチェックすることが予防につながります。
