HCGダイエットプログラムの研究と評価
2007年、米国の30州で肥満率が25%以上と報告されている(The Obesity Society)。肥満対策として毎年多くのダイエット法やサプリが販売されているが、hCGダイエットは、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を用いて体脂肪の代謝を促す低カロリー食プログラムである。その有効性は研究結果が分かれており、議論が続いている。
歴史
アルバート・T・サイモンズ博士は、妊婦の尿中に含まれるhCGが体脂肪を減少させ、肥満を解消できると提唱した。1954年に同氏は研究結果を報告し、低カロリー食と併用すれば空腹感なく体重減少が可能だと主張した。
支持研究
1973年、W.L.アッシャー博士とハロルド・ハーパー博士は、米国臨床栄養学会誌(AJCN)にhCG注射の減量効果を検証した臨床試験を発表した。40名の女性を対象に、同一の低カロリー食を与えつつ、半数にhCG注射、残りにプラセボ注射を実施した。その結果、hCG群はプラセボ群に比べて有意に大きな体重減少を示した。
反対研究
同誌は1976年に、別の医師グループが同様の二重盲検試験を再現した結果を報告している。hCG注射とプラセボ注射を同条件で行ったが、体重減少や体形変化に有意差は認められなかった。
考慮すべき点
近年、ケビン・トルドー氏の著書『The Weight Loss Cure』がサイモンズの研究を引用し、hCGダイエットを「肥満の絶対的治療法」と宣伝した。しかし、トルドー氏は医師ではなく、書中で提示する理論は科学的根拠が不十分であると指摘されている。
乳がんとの関連性
一部の研究では、hCG注射が乳がんリスク低減に寄与する可能性が示唆された。米国国立バイオテクノロジー情報センターの報告によれば、5年間の追跡調査でhCG投与群に乳がん発症率の低下が見られたが、因果関係を確定するには更なる研究が必要である。
