食中毒を引き起こす代表的な細菌とその特徴
食品に繁殖した細菌が産生する毒素が原因で起こる食中毒は、見た目や匂い、味では判断できません。細菌自体は体内で増殖し続け、症状を引き起こします。以下に、特に問題となる代表的な細菌とその感染経路・対策を紹介します。
サルモネラ(Salmonella)
サルモネラに汚染された食品を摂取すると、腸内で増殖しサルモネラ症を引き起こします。症状の重症度は摂取量、宿主の免疫状態、菌株に左右されます。主な感染経路は、動物や人の糞便・腸内容物に直接・間接的に触れた手で食品を扱うことです。
カンピロバクター・ジュジニ(Campylobacter jejuni)
カンピロバクター・ジュジニは、未処理の表層水や家畜(特に鶏)の腸内に常在し、汚染された生肉や未加熱のミルク、生の貝類などを通じて感染します。酸素濃度の低い環境で増殖し、120°F(約49℃)以上の加熱で容易に死滅します。
リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)
リステリアは主に羊や牛でリステリオシスを引き起こしますが、人にも感染しやすい食品由来の病原菌です。低温でも増殖でき、冷蔵庫内でも増えるため注意が必要です。113°F(約45℃)以上の加熱で死滅します。
ブドウ球菌(Staphylococcus)
ブドウ球菌は人の皮膚や鼻腔に常在し、風邪や副鼻腔炎の患者からも拡がります。未処理の水、生乳、汚染された食品に存在し、温かい環境で増殖して毒素を産生します。毒素は熱に強く、加熱だけでは除去できないため、食材は常に清潔に保ち、提供時は140°F(約60℃)以上の熱さまたは40°F(約4℃)以下の冷たさを保つことが重要です。
大腸菌(Escherichia coli)
大腸菌は腸内に常在するコロフォームの一種で、通常は無害です。しかし、特定の病原性株は重篤な食中毒を引き起こします。特にひき肉、生乳、未殺菌のりんごジュースやサラダ類がリスク食品です。十分な洗浄と加熱、調理後の再汚染防止が予防の鍵です。
