先祖の食事(パレオダイエット)

歴史

1975年、胃腸科医ウォルター・フォーグトリンが「石器時代の食事」を提唱し、人間は主に肉食で炭水化物が少ない食事が適していると主張しました。その考えは1980年代に「New England Journal of Medicine」に掲載された論文で広く知られるようになり、後に「The Paleolithic Prescription」という本が出版され、フォーグトリンの概念に野菜や果物など当時の食材を加えました。2002年には運動生理学者ローレン・コーディンが『The Paleo Diet』と『The Paleo Diet for Athletes』を出版し、パレオダイエットが一般に浸透しました。

仕組み

パレオダイエットの支持者は、ネアンデルタール人は肉、果物、野菜など自然界にある食材を中心に摂取していたと考えます。農業革命と産業革命により炭水化物や加工食品、人工的な高カロリー・高脂肪・高糖分の食事が普及し、肥満や心疾患、糖尿病、がんの罹患率が上昇しました。遺伝的に適した食事に戻すことで自然に痩せ、疾病リスクを低減できると主張されています。

食材リスト

パレオダイエットは、タンパク質、果物・野菜、健康的な脂肪を中心とします。具体的には、牛肉や豚肉、鶏肉などの赤身肉、エルクやバイソンなどの野生肉、魚介類、ナッツ・種子、卵、各種果物・野菜が許容されます。オリーブオイルやコーヒー、紅茶、適量のアルコールもOKです。

一方、乳製品は原始人には乳を搾る技術がなかったため除外され、穀物やシリアルも農業革命以降の産物なので禁止されます。豆類やジャガイモなどのデンプン質の野菜も遺伝子改変が進んだとされて除外対象です。ベーコンや加工食品、砂糖入り飲料、菓子類は避けるべきです。

効果

パレオダイエットは未加工の全食品と健康的な脂肪に重点を置くため、栄養価が高く人工添加物を含みません。研究によると体重減少や血圧・血糖の改善が報告されています。例えば、2009年に『European Journal of Clinical Nutrition』に掲載された研究では、短期間で血圧と血糖が有意に改善されたとされています。また、肌荒れの改善や運動パフォーマンス向上の報告もあります。

留意点

穀物や乳製品を排除するため、食生活の大幅な変更が必要です。食材の入手や調理が難しい場合があります。また、長期にわたる高タンパク食は腎機能への負担や赤肉過剰摂取による心血管リスクを高める可能性が指摘されています。医師や栄養士と相談しながら実践することが重要です。

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