TPN(総静脈栄養)の計算方法

総静脈栄養(TPN)は、患者の状態に合わせて個別に調整されます。TPNの配合は、炭水化物、脂質、タンパク質の割合を変えることで、必要なエネルギー、流体、電解質、ビタミン等を満たすように設計されます。以下の手順に従って、患者のエネルギー、タンパク質、流体、脂質、炭水化物の必要量を算出し、最適なTPN溶液を作成できます。

計算手順

  1. エネルギー必要量の算出

    基準は 25〜30 kcal/kg/日です。選択手術後は +5 kcal/kg/日、重傷患者は +10 kcal/kg/日、極度の外傷患者は +20 kcal/kg/日を加算します。例として、体重60 kg の極度外傷患者は 45 kcal/kg/日(60 kg×45 = 2,700 kcal)となります。

  2. タンパク質量の算出

    通常は 0.83 g/kg/日を基準とし、状態に応じて 1〜2 g/kg/日を加算します。体重60 kg の重症患者の場合、2.83 g/kg/日(60 kg×2.83 ≈ 170 g)となります。

  3. 流体量の算出

    基準は 30 ml/kg/日です。カタボリック状態(組織分解が進行している)では 40〜70 ml/kg/日を使用します。

  4. 脂質から供給されるエネルギーの算出

    エネルギー必要量に応じて脂質濃度を選びます。エネルギー需要が低い場合は 10 % 脂質(1.1 kcal/ml)、高い場合は 20 % 脂質(2.0 kcal/ml)を使用し、体積を算出します。

  5. 炭水化物量の算出

    タンパク質と脂質で供給されるカロリーを総エネルギーから差し引き、残りを炭水化物で補います。そのカロリーに対応する濃度(%)を決定し、必要量を算出します。

上記の各ステップで求めた量に、ビタミンや電解質を必要に応じて加えれば、患者に合わせたTPN溶液が完成します。

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