有益な細菌の例

細菌は単細胞の微生物で、肉眼では見ることができません。自然史家スティーヴン・ジェイ・グールドは「バクテリアの惑星」で、地球上の生命が誕生した最初の20億年はすべて細菌が占めていたと述べています。現在でも地球上の生物総重量の半分以上を細菌が占めています。細菌はペストのような致死性疾患を媒介する一方で、人類にとって有益な役割も多数果たしています。

消化への役割

私たちの体内には数十億もの細菌が常在しており、体重の約10%を占めます。その大半は腸管に生息し、食物の消化やビタミンKの合成に不可欠です。また、胃や腸の粘膜の再生を助け、糞便の95%は死んだ細菌で構成されています。これらは人類と細菌が何百万年もの共進化の結果です。

食品への応用

特定の細菌は乳糖を乳酸に変換し、酸性環境を作り出すことで乳製品の保存と風味を向上させます。その結果、チーズ、ヨーグルト、ケフィア、サワークリーム、バターミルクなどの高タンパク食品が生まれます。また、チョコレートやコーヒーの加工にも細菌は重要な役割を果たします。アルコール飲料の発酵は酵母が主ですが、細菌が味に影響を与えることもあります。

リサイクル(分解)への貢献

細菌がなければ、死んだ植物や動物の分解は極めて遅くなり、有害な状態が続くだろうと考えられます。細菌は有機物の分解と栄養素の再循環を担い、特に窒素固定細菌は土壌中の窒素を植物が利用できる形に変換します。

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