宇宙食が乾燥食品である理由
宇宙旅行では限られた保管スペースと無重量環境のため、通常の料理や食事は困難です。そのため、凍結乾燥(フリーズドライ)食品が主に使用されています。軽量で持ち運びやすく、調理も最小限で済むという特徴があります。
歴史
1938年、ネスカフェがコーヒー保存のために凍結乾燥技術を開発しました。第二次世界大戦中には、血漿や医薬品の保存にも利用され、冷蔵が不要となりました。宇宙食としての初期の凍結乾燥食品は、粉末や小さなキューブ状で、浮遊してしまい再水和が難しく、宇宙飛行士は絞りチューブから食べることを好みませんでした。
凍結乾燥による保存
凍結乾燥機は大きな氷結晶ではなく微小な結晶を形成し、細胞構造への損傷を最小限に抑えます。その後、真空状態で氷中の水分を直接蒸発させて完全に乾燥させます。密閉包装に切り替えることで、品質が向上し、再水和も簡単になりました。
宇宙食の改良
ジェミニ計画の乗員は、凍結乾燥エビカクテル、チキンと野菜のシチュー、プリンなどのメニューを楽しみました。初めて熱湯が利用できたことで調理が容易になり、味も向上しました。また、特殊なプラスチック容器とスプーンを使って食べることができました。
調理時間と保存性
スペースシャトルのメニューには、ビーフストロガノフ、シチュー、チキン照り焼き、トルティーヤ、ピラフなど、すべて事前に調理された凍結乾燥食品が含まれます。乗員は針付きステーションで水を注いで再水和するか、電気温め器で加熱します。食品は浮遊せず、片付けも最小限です。余ったパックは次回のミッションでも使用でき、保存期間は最低でも2年です。
栄養と味
凍結乾燥と改良された包装により、品目数が増え、味も大幅に向上しました。各乗員に必要な推奨栄養素(RDA)を満たすと同時に、栄養素の大部分を保持し、濃縮された風味を楽しめます。
