慢性肝疾患における炭水化物代謝の影響と対策
肝臓と炭水化物代謝
肝臓は摂取した炭水化物や脂質を代謝し、体が利用できる形に変える重要な役割を担っています。また、タンパク質の合成、ミネラル・ビタミンの貯蔵、毒素の除去も行います。
慢性肝疾患、特に肝硬変が進行すると、正常な肝組織が線維化組織に置き換わります。血流が阻害され、炭水化物・脂質・タンパク質の代謝機能が低下し、栄養素の処理が不十分になります。
慢性肝疾患と消化代謝の変化
線維化やその他の要因により、炭水化物の吸収が低下し、栄養不良が進行します。1971年の『Gastroenterology』に掲載された「肝硬変患者における胆汁酸代謝」では、以下の要因が指摘されています。
- 胆汁酸欠乏
- 腸管運動性・透過性の変化
- 肝内細菌増殖
- 高血圧に伴う胃腸機能の変化
その他の影響要因
慢性肝疾患では、肝臓と腎臓でのタンパク質合成が低下し、尿中への窒素排泄が増加します。その結果、炭水化物の吸収も阻害され、インスリン抵抗性や糖新生障害、肝グリコーゲンの減少につながります。
食欲不振、吐き気、胃炎、消化吸収障害、ナトリウム制限食なども栄養不足を助長します。
経口ブドウ糖負荷試験(GTT)の重要性
慢性肝疾患患者では、血糖値の変化を確認するためにブドウ糖負荷試験が行われます。肝硬変や慢性肝炎の患者は、ブドウ糖耐糖能が低下しやすく、炭水化物代謝が不十分であることを示します。必要に応じて栄養補助が検討されます。
慢性肝疾患と炭水化物代謝への対策
米国国立糖尿病・消化器・腎臓病研究所によると、肝硬変は米国で7番目に多い死亡原因です。重症例では肝移植が唯一の選択肢となりますが、多くの場合は適切な栄養管理と合併症のモニタリング、アルコールや肝臓で代謝できない薬剤の回避により、進行を遅らせることが可能です。
定期的なブドウ糖負荷試験で代謝状態をチェックし、必要に応じて炭水化物・タンパク質・脂質の補充を行うことが推奨されます。
