結腸がん手術患者のための食事ガイド
大腸がんが診断されると、腫瘍除去のために結腸切除術が行われます。病変部位の大腸を切除し、残った健康な両端を再びつなぎ合わせます。また、がん細胞が転移しやすいリンパ節も同時に摘出し、再発リスクを低減します。
人工肛門(コロストミー)
大腸の切除範囲が広い場合、人工肛門(コロストミー)が必要になることがあります。コロストミーは、腸の一部を体外に開口部(ストーマ)として作り、腹部に装着した袋に排泄物を受け止める手術です。袋は1日数回排出し、定期的に交換します。多くの場合、腸が回復するまでの一時的な処置で、回復後に再手術で腸を再接続し、ストーマは取り除かれます。
手術前の食事
手術前数日間は、結腸を浄化するための食事が指示されます。消化が難しいナッツや種子類は避け、代わりにパン、米、ジャガイモなどの澱粉質を中心に摂ります。手術直前は、スープやお茶、ゼラチンなどの液体のみの食事に切り替えます。
治療中の食事
治療中は食欲が低下しがちですが、栄養不足は回復を妨げます。放射線や化学療法で受けた細胞ダメージは、ビタミン・ミネラル・たんぱく質などの十分な摂取で修復を助けます。バランスの良い食事は食事ピラミッドに基づき、以下のように摂取します。
- 炭水化物(パン、シリアル、米、パスタ) 6〜11食分
- 野菜 3〜5食分
- 果物 2〜4食分
- 肉・魚・鶏肉・乾燥豆・卵・ナッツ 2〜3食分
- 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ) 2〜3食分
- 脂肪・油・甘味料 適量(控えめに)
手術後の食事
切除術やコロストミー後の最初は、液体・低繊維の栄養ドリンク中心の食事が推奨されます。入院中は少量ずつ様々な食品を試し、体が耐えられるものを確認します。退院時には、食事ピラミッドに沿った比較的通常の食事が可能になりますが、以下のような食材は控えるよう指示されることがあります。
- 果物・果汁
- 高繊維野菜
- 全粒シリアル・全粒パン
- 玉ねぎ・キャベツ
- 炭酸飲料・ビール
- 脂肪分の多い料理
放射線療法中の食事
放射線治療は約1か月間続く下痢を引き起こすことがあります。術後の低繊維食が原因の一部です。体が回復するにつれて徐々に食物繊維を増やすことで、下痢の頻度は減少します。
化学療法中の食事
化学療法では下痢、悪心、嘔吐、食欲低下、倦怠感が起こりやすいです。下痢は徐々に食物繊維を増やすことで改善されます。悪心・嘔吐は、胃に何か入っている状態を保つことで軽減できます。1日数回に分けて少量ずつ食べるか、食間に栄養ドリンクを摂取すると良いでしょう。継続的に栄養を摂取し、体の回復を支えることが重要です。
ガムの効果
Rob Schuster 医師らが『Archives of Surgery』に掲載した研究では、手術後にガムを噛むことで退院までの期間が短縮される可能性が示されています。患者は1日3回、1回につき約1時間ガムを噛みました。その結果、空腹感の回復、ガスの排出、術後初便の出現が早まり、退院が早くなったと報告されています。ガムは術後の消化管機能を刺激する効果が期待されます。
