高カリウム(血中カリウム過剰)の意味と対処法
カリウムは筋肉、神経系、消化、代謝、体内恒常性の正常な機能に欠かせない電解質です。血中カリウム濃度が高くなる状態(高カリウム血症)は、カリウムが代謝・排泄されずに体内に蓄積したことを示します。細胞から大量にカリウムが放出されることでも起こります。
原因
- 糖尿病、鎌状赤血球症、アジソン病、全身性エリテマトーデス、糸球体腎炎、腎不全などの疾患。
- 尿路閉塞による腎障害。
- 腎機能低下に伴う薬剤やカリウム含有食品への感受性増加。
- 外傷(やけど、手術、内部出血、腫瘍、横紋筋融解)による細胞からのカリウム放出。
重要性
血中カリウム濃度の上昇は、主に腎臓に問題があることを示すサインです。腎機能が正常であれば、余分なカリウムは排泄され、重篤な高カリウム血症には至りません。
症状
- 吐き気、倦怠感、嘔吐、筋力低下、手足のしびれ。
- 腕や脚の重さ感、めまい、混乱、呼吸浅くなる。
- 血中カリウムが7.0 mEq/L以上になると、下痢、胸痛、心拍不整、心不全などの重篤症状が現れます。
腎機能が低下している場合は、上記症状が出たら速やかに医療機関を受診してください。
短期治療
- 血液検査と心電図でカリウム濃度と心拍変化を確認。
- インスリン+ブドウ糖、ナトリウム重炭酸、アルブテロール、エピネフリンなどでカリウムを細胞内へ移動させる。
- 静脈投与のカルシウムで心筋・筋肉を保護。
- 利尿剤で腎臓からカリウムを排泄。
- カリウム結合樹脂(陽イオン交換樹脂)で消化管からカリウムを除去。
- 腎機能が著しく低下している場合は透析が必要。
長期治療
- 軽度(5.1‑6.0 mEq/L)〜中等度(6.1‑7.0 mEq/L)の高カリウム血症では、食事でカリウム摂取を制限し、利尿剤(カリウム保持性利尿剤は除く)を使用。
- 原因疾患の治療と、カリウム濃度上昇を助長する薬剤(ACE阻害薬、NSAIDs、カリウム保持性利尿剤など)の見直し。
