胃ステープル手術(胃縮小手術)の概要とポイント
手術の目的と概要
胃ステープル手術(胃縮小手術)は、肥満患者の体重減少を支援する外科手術です。胃を二つの独立した小袋に分割し、全体の容量を大幅に減らすことで、食事量を自然に制限します。
手術の手順
手術は全身麻酔下で行われます。外科医はゴルフボール大の胃の一部を切り取り、残りの胃から切り離します。その部分をステープルで閉じ、約2杯分(大さじ2杯程度)の食物しか収容できない新しい小袋を作ります。この小袋に食物が入るため、一度に大量に食べることができません。
手術の種類
主に以下の2種類があります。
1. 垂直バンド胃形成術(Vertical Banded Gastroplasty)
ステープルとバンドを併用し、小袋を作ります。小袋はメッシュやプラスチックで覆われた直径約1cmの開口部で本来の胃とつながります。術後1年で最大体重の45%まで減少することがあります。
2. 調整可能胃バンド手術(Adjustable Gastric Banding)
ステープルは使用せず、バンドのみで小袋を形成します。バンドはシリコン製で、体内に生理食塩水を注入・抜去することで締め具合を調整できます。2009年時点で比較的新しい手術です。
適応対象
以下の条件を満たす肥満患者が対象となります。
- BMIが40以上の方。
- BMIが35〜40で、心臓病、睡眠時無呼吸症候群、2型糖尿病などの肥満関連疾患を併せ持つ方。
- 女性で理想体重より80ポンド(約36kg)以上超過している方。
- 男性で理想体重より100ポンド(約45kg)以上超過している方。
リスクと合併症
一般的な手術リスク(感染、血栓、脳卒中、麻酔アレルギーなど)に加え、以下のリスクがあります。
- 出血性潰瘍、肺炎、胆石症の増加。
- 胃バンドやステープルの破損・滑脱、侵食。
- 胃液が腹腔に漏れ、緊急手術が必要になるケース。
- 新しく作った胃小袋が時間とともに拡大する可能性。
減量効果と注意点
胃ステープル手術は、食事習慣の改善が伴わなければ効果が限定的です。術後は小袋に入る食事量が極端に少なくなるため、過食は防げますが、胃は伸縮性があるため、過度に食べ続けると小袋が拡大し、体重増加につながります。長期的な体重管理には、食事制限と運動習慣の継続が不可欠です。
