米国酪農協会(Dairy Farmers of America)によれば、一般消費者向けに販売されている牛乳には防腐剤は使用されていません。病原菌や有害な細菌は、加熱処理(低温殺菌)、冷蔵、光からの遮断という組み合わせで管理されています。また、ほとんどの市販牛乳は均質化されており、クリームが分離しないようにしています。

しかし、冷蔵が難しい「酪農家改良牛乳(Dairy Herd Improvement, DHI)」の検体では、防腐剤が使用されることがあります。多くの州ではこのような状況下での防腐剤使用が義務付けられていますが、使用される防腐剤の中には毒性があり、人が飲用することを想定していないものもあります。

主な防腐剤と特徴

ジクロム酸カリウム(Potassium Dichromate)

低コストで色が付くため、牛乳中に添加されたことが目視で確認しやすい防腐剤です。乳中に均一に分散しますが、脂肪を劣化させる毒性があり、下水系への汚染も懸念されます。

ブロノポル(Bronopol)

低コストで乳中に均一に拡散しやすく、比較的毒性が低い防腐剤です。乾燥状態で保存する必要があり、冷蔵されていない検体では酵母の増殖を抑制できません。

ホルムアルデヒド(Formaldehyde)

低コストで乳中に拡散しますが、脂肪測定用の電子機器に干渉するため、検体としては不適切とされています。

過酸化水素(Hydrogen Peroxide)

毒性が低く、安価で乳中に拡散しやすい防腐剤です。ただし保存期間が短く、色が付かないため視覚的に確認しにくいという欠点があります。