ヒトの行動は、神経伝達物質と呼ばれる脳内化学物質によって制御されています。脳内に約40種類の神経伝達物質が存在し、そのうち12種類が食行動に関与しています。脂肪細胞から分泌されるホルモンであるレプチンは、十分なエネルギーが摂取されたことを脳に伝えることで、食欲と体重のバランスを保つ重要な役割を果たします。
化学的性質
レプチンは146個のアミノ酸からなるタンパク質で、分子量は約16キロダルトンです。肥満遺伝子(ob遺伝子)にコードされており、この遺伝子の変異が重度の早期発症肥満と関連するという仮説が提唱されています。
化学構造
レプチンは4本のαヘリックスが平行に走り、上下方向に折りたたまれた「up‑up‑down‑down」パターンを形成しています。各ヘリックスは5〜6回転ほどの長さで、二層構造のヘリックスバンドを作り出します。
重要性
インディアナ大学化学部の研究によれば、レプチン抵抗性や欠乏は糖尿病、不妊、肥満の原因となり得ます。そのため、レプチンの作用機序は肥満治療薬の開発を目指す製薬企業にとって重要なターゲットとなっています。
